計測

“コンクリート充填検知システム”の開発

フレッシュコンクリートの充填状況を圧力・温度で検知できる“コンクリート充填検知システムを開発いたしました。

山岳トンネルの二次覆工コンクリート充填検知だけでなく、モルタル充填検知、水深40mの水中・海中の水中コンクリート充填検知も可能です。

また、“養生温度測定”、“コンクリート圧縮強度の推定”ができます。

pdf コンクリート充填検知システム カタログ

1 システムの構成と特徴

開発したコンクリート充填検知システムは、今までのコンクリート充填検知システムでは出来なかった充填時の圧力・温度を数値とグラフでリアルタイムに確認できます。

構成は圧力・温度を同時に測定し数値化できるセンサー、センサーのデータを取り込み最大200m離れたタブレットやレポートPCに送ることができるコネクションBOX・ホストBOX、および測定したデータをリアルタイムで数値とグラフ表示で確認できるタブレットからなります。

次にシステムの特徴と充填検知センサー(以下「センサー」という)の特徴を示します。

1.1 システムの特徴

  1. 一度に3ヶ所の圧力・温度測定が可能
  2. センサーケーブルは5m、10m、15m、20mの4種類
  3. 水中コンクリートの圧力測定にも使用可能
  4. コンクリート硬化時養生温度の測定が可能
  5. 充填圧力・温度はタブレットやPCで確認・記録

1.2 センサーの特徴

  1. 圧力と温度を同時に2秒毎に測定
  2. センサー内部で数値化
  3. 小形軽量で小スペースに取付可能(センサーサイズ 23×20×7mm)
  4. 4.4mmφの受感面
  5. 測定可能圧力は0~1.4N/mm2(1400kPa)
  6. 測定可能温度は-40~85℃
  7. 水深40mの水中・海中でも測定可能

2 測定方法

2.1 センサー設置位置

フレッシュコンクリートの充填を確認する箇所に圧力・温度を同時に測定できるセンサー(写真1)を設置します。

充填検地センサー

写真1 充填検地センサー

2.2 センサーとコネクションBOXとの接続

センサーのケーブルをコネクションBOX(写真2)に接続することにより、ケーブルを介してセンサーへの給電を行い圧力と温度を測定します。

コネクションBOX

写真2 コネクションBOX

2.3 測定データのホストBOX、タブレットへの送信

センサー内で数値化された圧力・温度の測定データはコネクションBOX(写真2)を介して、ホストBOX(写真3)に920MHz帯無線通信(見通し200mまで通信可能)を使用して送信します。

ホストBOX

写真3 ホストBOX

タブレット(写真4)には2.4GHz帯Bluetooth通信(近距離無線通信の規格のひとつで見通し10m程度まで通信可能)を使用して送信します。

タブレット

写真4 タブレット

2.4 測定データの確認、保存方法

通常はBluetooth通信を使用して現場に置いたタブレットで測定を行い、数値とグラフで確認します。また測定データはCSV(Comma-Separated Values)ファイルで保存されます。

Bluetooth通信が届かない場合はコネクションBOXとホストBOX間(最大200m)で920MHz帯無線通信を行い、ホストBOXとUSBで接続したレポートPCあるいはタブレットにより、グラフ化されたデータの確認・記録が可能です。

2.5 測定および測定データの確認

タブレットまたはレポートPC上の「コンクリート打止め管理プログラム」を、起動することにより測定が開始されます。

「コンクリート打止め管理プログラム」ではリアルタイムの圧力・温度の数値・時系列グラフを見ることができ、圧力値の確認により「打止め」の判断、積算温度により「コンクリート圧縮強度」の推定が可能です。

2.6 設置・測定イメージ図

図1にコンクリート充填検知システムの設置・測定イメージ図を示します。

コンクリート充填検知システム

図1 コンクリート充填検知システム

3 計測事例

当該システムを、トンネル工事の二次覆工コンクリート充填に適用した事例について次に紹介します。図2に充填検知センサーの設置概念図を示します。

充填検地センサー

図2 充填検知センサーの設置

3.1 フレッシュコンクリートの充填方法

フレッシュコンクリートは側壁下部から上部まで順に充填され、最後に最頂部にあたる天端(てんば)の充填が行われます。天端の充填ではラップ側のコンクリート打設口から注入されたコンクリートが、ラップ側、中央部、褄枠側と順に充填されます。

3.2 センサーの設置位置

センサーは天端の上部防水シート表面に下向きに設置します。

3.3 コンクリートの充填

①ラップ部(吹上げ口)、②中央部、③褄枠部の三ヶ所(図2)に設置した場合、コンクリートが充填開始されると流動勾配により、

  • ①のセンサーの圧力が上昇しコンクリートの充填が検知されます。
  • ②のセンサー、③のセンサーにより充填状況が順次確認できます。

グラフ1では①、②、③のセンサーに順にコンクリートが充填され、圧力が高くなったことが確認できます。

充填状況確認グラフ

グラフ1 フレッシュコンクリート充填状況確認

3.4 密充填の確認、判断

当初充填の確認は①~③の三ヶ所のセンサーにより判断を行っていましたが、③褄枠部位置の圧力が十分な圧力を示した時は、他の場所も十分にコンクリートが充填されていることが、電磁波レーダー測定で確認されました。

現在ではセンサーは③褄枠部の一ヶ所だけに設置し判断を行っています。

3.5 養生温度測定およびコンクリート圧縮強度推定

センサーにより硬化時の養生温度が測定でき、温度管理ならびに積算温度からコンクリート強度の推定ができます。

グラフ2から打止め後、コンクリートポンプが停止したためコンクリートの圧力が下がり、コンクリート硬化時も圧力が残っています。

また、温度(トンネルの長手方向に対して左右2ヶ所を測定)の曲線から、硬化時に養生温度が上昇することが分かります。

コンクリート硬化時の圧力・養生温度

グラフ2 コンクリート硬化時の圧力・養生温度

グラフ3では、翌日12時に「若材齢強度試験強度」(若材齢のコンクリート強度試験から求めた計算式と積算温度から計算された強度)が4.7N/mm2であり、このトンネルの脱型時必要コンクリート強度(例:1.5N/mm2)に達していることを確認できます。

積算温度によるコンクリート圧縮強度推定

グラフ3 積算温度によるコンクリート圧縮強度推定

4 お問合せ先

日本工業検査株式会社 検査事業本部 本社事業部

社会インフラ部 益子 智久

TEL 044-222-9002 FAX 044-366-6077

機器構成

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主な構成機器の仕様

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